SDS法

SDS法(Self-Determination Theory、自己決定理論)は、人間の動機付けや行動の根底にある要素を理解するための心理学の理論です。この理論は、人々が自己決定の達成、関与、成長を追求する傾向があるという基本的な前提に基づいています。

SDS法は、人間の動機づけを3つの基本的なニーズに分類しています。それらは以下の通りです:

1. 自己決定ニーズ(Autonomy):自分自身の行動や選択に対して制約がなく、自主性や自律性を持って行動することへの欲求。個々の人が自分の人生において主体的に意思決定し、自己の価値観や興味に基づいて行動することが重要であるとされます。

2. 関連性ニーズ(Relatedness):他人とのつながりや関係性への欲求。他人との交流や支援、愛情や帰属感を感じることが重要であり、人間関係の中で認められたり、支えられたりすることが動機付けにつながるとされます。

3. 成長ニーズ(Competence):自己の能力や成長、達成感への欲求。自己のスキルや能力を高め、課題に取り組むことや成果を得ることへの欲求が重要であり、自己の成長や向上に意義を見出すことが動機付けにつながるとされます。

SDS法は、これらの基本的なニーズが満たされることで人々の動機付けが高まり、心理的な健康や幸福感、自己成長などが促進されると主張しています。また、外部からの制約や報酬による動機付けは一時的で持続性に欠ける一方、自己決定的な動機付けは持続的で満足感や充実感をもたらすとされています。

SDS法は、教育、組織、スポーツ、心理療法などの様々な領域で応用されており、人々の動機付けや行動の理解や促進に役立つ枠組みとなっています。